Root canal treatment根管治療

根管治療とは

歯科診療の中には「根管治療」と呼ばれる治療法があります。聞き馴染みのない治療法ですが、抜歯をせずに進行した虫歯を治療して歯を残存させるためにはとても大事な治療法です。

そんな根管治療は、歯の状態にあわせて当院では次の3つの治療法を選択します。

  • 抜髄:問題のある歯の神経を取る治療
  • 感染根管治療:歯の神経が死んでいる場合などに行われる治療
  • 外科的歯内療法(歯根端切除術):炎症が大きくなって、根治治療を行っても改善しない場合などに感染部位を外科的な処置で取り除く治療

どの治療法が選択されるかは、患者様のお口の状況により異なります。治療の適応があれば、治療を行うのが望ましいでしょう。ただし、本治療を行っても将来的に歯が抜けてしまう可能性が高い場合は治療を行わないこともあります。治療をするかどうかについては、患者様と相談した上で決定いたします。

根管治療を行うメリット

  • 自分の歯を残すことができる
  • 虫歯の痛みがなくなる

治療をして歯の根を残すことができれば、その上に被せ物をつけることができます。自分の歯が土台になることで、審美性と機能性の両方を回復させつつ、これまでのように食事を楽しむことができます。

そして、虫歯の原因を根本から取り除くことで痛みがなくなります。根管治療では神経やその周りをきれいにして炎症を取り除くため、QOLも向上します。

当院の根管治療の特徴

当院の根管治療は的確な診断を行い、できるだけ神経を残した治療を心がけています。

ラバーダムを使った治療を99%実施

当院ではほかの歯への感染を防ぐために、処置の際にはラバーダムを使用しています。ラバーダムはゴム製のシートで主に根管治療を行う際に利用しています。

当院ではラバーダムを使った治療を99%実施しています。まだまだ日本ではラバーダムを使った処置の浸透率は低いですが、当院では、感染防止の側面から積極的にラバーダムを使っています。

マイクロスコープを使った治療

当院では根管治療にマイクロスコープを導入しております。最大20倍まで拡大できるマイクロスコープを使用することで、顕微鏡よりも高倍率で、肉眼では見えないより細かい部分も正確な治療が可能です。

奥歯や歯周ポケットや細部まで確認できるため、根管治療においては深部の神経や虫歯の徹底的な治療が可能になります。

的確な診断

根管治療に関わらず、歯の治療には的確な診断が欠かせません。歯の根の本数や歯の形だけでなく、その歯の重症度は視診だけでは分からず、レントゲン検査やCT検査などの詳しい検査をする必要があります。そして、歯に問題があった場合に、その歯が「治療により改善する歯」かどうかの見極めも大切です。

例えば再根管治療を行う場合、すでに処置でダメージを受けているにも関わらずさらにダメージを与えてしまうため、より慎重に診断をします。そのために当院では次のような検査を行いながら診断を行っています。

  • 問診
  • 画像診断
  • マイクロスコープ
  • プロービング

など

できるだけ神経を残す

そして治療の適用を確認したら、できるだけ神経を残すように治療を行います。神経を取ってしまうと、その歯に栄養などが届かなくなってしまうため、とても脆くなってしまいます。

変色したり、歯が割れたり、欠けたりしやすくなって、結局抜歯が必要になってしまうことも考えられるでしょう。そのため、当院では、炎症範囲を見極めて、できるだけ神経を残すようにしています。

当院の根管治療の流れ

STEP01

診断

まずは問診をしてお口の中の状態を確認して、どの歯(あるいは複数の歯)に影響が出ているかを特定します。その後、レントゲン検査をして、見た目では分からない部分の状態を確認します。それでも追加の検査が必要なときはCT検査を行います。
こうした術前の検査が、後の正確な治療のためにはとても大切です。

STEP02

細菌感染した神経を取り除いて洗浄する

必要な情報が揃ったら治療に移ります。まずは、細菌感染した神経を取り除く治療を行い、歯の中の細菌を減らしていきます。このときに削る必要のない歯まで処置しないように最新の注意を払います。このとき使用するのが、ファイルや超音波です。
歯の根は、ファイルだけでは取り除けない溝がたくさんあるため、薬剤を使って消毒することで、細菌が残らないようにきれいにしていきます。

STEP03

根管に殺菌薬を詰める

消毒をしたあとは、再び感染を起こさないように抗菌薬を塗布します。効果は1週間ほどすると現れますが、完全に菌をやっつけるにはこの治療を複数回行います。当院では2回程度を目安に行っています。

STEP04

根管充填

殺菌が終われば、樹脂を歯の空間に詰めていきます。これを根管充填と言います。殺菌している部分をきっちりすき間なく充填しなければ再感染を引き起こすこともあるため、特に大切な工程です。

STEP05

土台と被せ物の作成

根管充填が終われば、土台と被せ物を作成します。被せ物は患者様のご希望の素材で作成することもできます。審美性を高めたい場合や機能性を維持したい場合など、ご要望をおきかせください。