静脈内鎮静法とは?
静脈内鎮静法は「点滴麻酔」とも呼ばれ、鎮静剤を静脈から点滴して歯科治療への不安を取り除いた状態で治療を受けることができる方法です。意識をぼんやりさせることで、痛みや恐怖心への感覚を鈍らせます。
全身麻酔のように完全に眠った状態になるわけではないので、治療中の呼びかけには反応することが可能です(中には眠ってしまう方もおられます)。
こんな方におすすめ
静脈内鎮静法は次のような方におすすめです。
- 過去の歯科治療で恐怖心がある
- ドリルの音や独特のニオイが怖い
- 治療中に吐き気を催した経験がある
- できれば眠ったような状態で治療したい
- とにかく痛みや恐怖心を取り除きたい
このようなお悩みがある方は静脈内鎮静法をご検討ください。
当院の静脈内鎮静法の特徴
当院の静脈内鎮静法の特徴は次の通りです。
1.痛みと恐怖心を軽減した日帰り治療
静脈内鎮静法治療は、全身麻酔ではありませんので治療中、完全に眠ってしまうことはありません。治療が終了して意識がはっきりしましたらお帰りいただくことができます。
2.安全に配慮した診療
鎮静中は、生体監視モニターを使用します。このモニターでは患者様の呼吸状態や心拍数、血圧を測定し、安全面にも配慮した治療を心がけております。
静脈内鎮静法のメリット
静脈内鎮静法には次のようなメリットがあります。
いつのまにか処置が終わっている
歯の治療に恐怖心がある場合は、静脈内鎮静法を行うことで恐怖心や不安感を軽減することができます。治療中はわずかに意識はあるものの、麻酔の作用でうたた寝しているような状態になり意識がぼんやりとします。そのため、意識がはっきりするころには治療が終わっており、いつの間にか治療が終わっていたと感じるでしょう。
リラックスして処置を受けられる
どうしても歯科治療への不安や恐怖心がぬぐえないときは、通常行う麻酔では効きが悪くなることがあります。これにより、神経性のショックなどのトラブルが起こりやすくなって治療を継続できない場合があります。
そうした場合に静脈鎮静法を行うことで、麻酔の効果でリラックスした状態にすることができます。そのため、恐怖心を取り除いたじょうたいで処置を受けられるのです。
健忘効果で嫌な思い出を残さない
静脈内鎮静法を使えば、頭がぼーっとした状態(傾眠傾向)になります。しかし、ぼんやりと意識はあるのでうなずいたり手を上げたりするなどのちょっとした会話や意思疎通はできます。そして、健忘効果があるので治療中の記憶はほとんどないと言われています、そのため、歯の治療に恐怖心がある人でも不安なく治療を行うことができ、嫌な思い出として残ることもありません。
静脈内鎮静法のデメリット
静脈内鎮静法(睡眠麻酔)は次のようなデメリットがあります。
- 麻酔からの回復時間が必要である
- 局所麻酔よりも費用が高くなる
- 効果に個人差がある
- 血圧が下がることがある
- 呼吸が浅くなることがある
静脈内鎮静法は全身麻酔と異なり、完全に意識を飛ばさないため、効果に個人差があります。また、手術が終わった後もしばらくその効果が持続するため、治療後は意識がもうろうとしてふらつくことが考えられ、運転などは控える必要があります。
当院の静脈内鎮静法の流れ
当院の静脈内鎮静法の流れは次の通りです。
体調をチェック
治療当日の体調に不安がある場合は、治療をお受けいただくことができない場合があります。そのため、ご来院いただきましたら体調について問診をさせていただきます。体調面や治療に関してご不安な点がありましたら事前にスタッフにお申し付けください。
周辺機器を準備して点滴開始
治療を実施できることを確認したら、生体情報モニターを設置し治療の準備を進めます。麻酔を使用中はこのモニターで血圧や心拍数を常時監視します。準備が完了したら静脈から麻酔の点滴を開始します。およそ1~3分で意識がぼんやりとしはじめます。
歯の治療開始
麻酔が効いているのを確認したら、歯の治療を開始します。治療中は意識がぼんやりとしますが、うなずいたり手を挙げたりするなどの意思疎通は可能です。何かありましたらスタッフに合図してください。
術後の体調をチェック
治療後、麻酔の効き目が切れるまでは院内で安静にお過ごしいただきます。眠気やふらつきなどの症状がなくなったことを確認できればご帰宅いただけます。