遊離歯肉移植術(FGG)とは?
遊離歯肉移植術(FGG:Free Gingival Graft)は、歯茎が失われた部分や退縮している部分に歯肉を移植して補う治療法です。歯周病などで歯茎が退縮したときや、インプラント手術の修復のときに行われています。
口の中の組織の構造
私たちの歯茎は、表層から「上皮」「結合組織」「骨膜」の3層構造になっています。遊離歯肉移植術(FGG)では「上皮」「結合組織」の2層を退縮している歯茎に移植します。移植元として使うのは、上顎の奥歯の裏側付近の健康な歯茎です。
遊離歯肉移植術(FGG)と結合組織移植術(CTG)の違い
遊離歯肉移植術(FGG)と結合組織移植術(CTG)は両方とも歯茎を移植してボリュームを出す治療法です。
よく似ている治療法ですが、遊離歯肉移植術(FGG)では「上皮」「結合組織」の2層を退縮している歯茎に移植するのに対して、結合組織移植術(CTG)は「結合組織」のみを取り出して不足している歯茎に移植します。
こんな方におすすめ
遊離歯肉移植術(FGG)は以下のような方におすすめしています。
- 歯周病などで歯茎が退縮してボリュームが減っている人
- 歯が長くなったと感じる人
- 抜歯後に歯茎がへこんできた人
- 生まれつき歯茎が少なく、歯みがきが上手にできない人
- インプラント治療を行うのに歯茎が足りない人
- 口を大きく開けて笑うのに抵抗がある人
このようなお悩みがあれば、まずは当院にご相談ください。カウンセリングの上、適切な治療法をご提案いたします。
遊離歯肉移植術(FGG)治療のメリット
遊離歯肉移植術(FGG)治療は以下のようなメリットがあります。
- 歯茎の形状や厚さを改善できる
- 歯茎の欠損や歯根露出を解消できる
- 知覚過敏や根面の虫歯を予防できる
- 歯みがきをしやすくなる
- 歯周病や虫歯を予防できる
- 歯肉再生手術やインプラント手術の補助的な手法として利用できる
遊離歯肉移植術(FGG)一番のメリットは、失われている歯茎の部分にボリュームを出して機能を高めるとともに、審美性も高まる点です。歯が正しく覆われることで知覚過敏や歯面の虫歯・歯周病を予防することもできるでしょう。
遊離歯肉移植術(FGG)治療のデメリット
遊離歯肉移植術(FGG)治療は以下のようなデメリットがあります。
- 移植した歯肉と元の歯肉の色に違いが出ることがある
- 移植後に歯肉の一部が萎縮して、歯茎の厚みが不均等になることがある
- 審美性が求められる前歯の歯ぐきの移植にはあまり向かない
遊離歯肉移植術(FGG)治療のデメリットは、移植をしても歯茎の厚みが均一になるとは限らない点です。遊離歯肉移植術は移植した部分に歯肉が生着しやすいと言われていますが、医師の技術によっては不均衡になることがあります。また、奥歯の歯肉を使用するため、移植した部位によっては元の歯肉の色と異なる場合がある点にも注意が必要です。す。歯が正しく覆われることで知覚過敏や歯面の虫歯・歯周病を予防することもできるでしょう。
当院の遊離歯肉移植術(FGG)治療の流れ
遊離歯肉移植術(FGG)は以下の流れで進めています。
初診・カウンセリング
患者様のお悩みや症状を詳しく伺い、歯茎の状態をチェックします。その後、CTGとFCGのどちらが適しているかを判断し、治療計画を立てていきます。
術前準備
治療を開始するにあたり、まずは口内環境を整えます。手術では感染のリスクがあるため、事前に虫歯や歯周病などのお口のトラブルを改善しなければなりません。お口のクリーニングを行うとともに、虫歯や歯周病があれば先にその治療を行います。
麻酔 ・サイズ確認
歯肉を切り出す部分に麻酔をかけて、移植を予定している部分の歯茎を切除して、サイズを計測します。
上顎から上皮組織と結合組織を採取
上顎から上皮組織と結合組織を採取します。麻酔をしっかりかけた状態で行うため、痛みはありません。もしも痛みや違和感がある場合はスタッフにお知らせください。
移植
移植部位の歯茎を剥離して、採取した上皮組織と結合組織を移植します。その後、歯茎を丁寧に縫合して手術は終了です。
術後のケアと抜歯
手術後は、感染を防ぎながら回復を促すためのアフターケアを行っていきます。痛み止めと抗生剤を処方しますので、医師の指示通りに服用してください。また、1~2週間後に、傷口をチェックして問題なければ抜歯を行います。
経過観察とメンテナンス
術後は定期的に通院をお願いしています。歯茎の回復状況をみてトラブルがないかを確認します。